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がん免疫療法 「能動免疫療法」
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がん先端治療コラム:がん免疫療法 「能動免疫療法」

がん先端治療コラム:がん免疫療法 「能動免疫療法」

がん治療の分野で、先端治療の一つである免疫細胞も日々進歩していますが、「がん免疫細胞」のイメージは、人それぞれ違います。免疫療法の科学的な内容が浸透しておらず、科学的な根拠あまりないとして負のイメージが強い場合もあります。しかし、実際には古くから研究され研究結果が積み上げられたエビデンスがあります。また、それらを根拠に治療提供されている場合もあります。今回は、「がん免疫細胞」について、詳しく解説します。

がん免疫療法

免疫細胞による攻撃力を高める治療法にはさまざまなものがありますが、免疫療法には受動と能動があって、どちらも先端治療に位置づけられています。
受動免疫療法は、がんを攻撃する免疫細胞や、がんを攻撃する武器となる抗体を体の外でたくさん作ってから患者へ投与するといった治療が行われ、CTLやTILなどの各種リンパ療法が中心で、更に活性化NKもここに分類されます。
これに対して能動免疫療法は、患者の体のなかでがんに対する免疫反応がより大きく起こるように働きかける治療であり、大きく分けてワクチンとサイトカインの2本柱に、その他の治療法が加わる形となります。
ここで言うその他の治療法には健康食品が含まれますから、能動免疫療法は、割と種類が豊富で選択肢が沢山あるといえるでしょう。

能動免疫療法

能動免疫療法のワクチン療法は、生体の免疫系を活性化させるのが目的で、がん抗原を取り出してがんの情報をワクチンとして利用するのが特徴です。
がん細胞を直接攻撃することはなく、あくまでも間接的に免疫系の働きを引き出し、サポートするイメージです。そのため、ワクチン接種後の効果を引き出すところが課題となります。

研究が進み臨床応用が実現している先端治療ですから、将来的に有力ながん治療方法として期待が集まっています。ワクチン療法の分野は進化していて、例えば、細胞を取り出し培養して成長させてから体に戻す療法も誕生しています。細胞を体に戻す際に、がんの目印といえる抗原を覚えさせるので、より優れた結果が得られることに期待が持てる療法でもあります。
これは樹状細胞療法といって、がん情報をT細胞に伝達する樹状細胞を使用するのがポイントです。

能動免疫療法のもう1つの柱であるサイトカイン療法は、免疫反応を活性させる物質を大量に、体外から投与するというものです。
技術的にはすでに確立されていて、医薬品としてはインターフェロンとインターロイキンが実用化されています。いずれも反応性が高いので、体内においては微量でも反応しますから、上手く活かせば治療の心強い味方になります。ただ、効果が高まればその分副作用のリスクも大きくなるので、患者さんの状態を見ながらバランス良く投与する細心の注意が求められます。このように、日進月歩の先端治療ではあるものの、まだまだ発展途上で、改善や改良の余地があるわけです。

ワクチン療法はいかに効率的に免疫系を活性化させることできるのか、また、サイトカイン療法はできるだけ副作用を抑えつつ、効果を高めることができるのか、という点が大きな目標となるでしょう。

先ほども少し触れましたが、健康食品はその他に分類される療法で、れっきとした能動免疫療法の1つです。治療に用いられる食品はキノコ類を始め、植物系や動物系を含めて多種多様です。しかし、厳密にいえば医薬品には当てはまりませんので、客観的な臨床効果と安全性の保証を確立することが課題です。

根拠が乏しい食品は、効果が期待できるとされていても民間療法の範疇を超えませんから、専門医に質問したりアドバイスを受けたりするのが賢明でしょう。他の治療法を選ぶことが可能であり、それが医学的な有用性が確認されているのであれば、そちらを優先的に検討した方が良いかもしれません。

もちろん、どの方法を選ぶかは患者さんの自由ですし、本人が納得するなら健康食品も1つの選択肢となるでしょう。

免疫療法の今後

これまで免疫療法について説明してきたとおり、能動免疫療法に共通しているのは、体外から働きかけることによって、体内の免疫反応を引き起こすという点です。
実は、健康食品などに分類される治療薬は非特異的免疫賦活薬といって、免疫療法のルーツに当たります。1970年代には既に研究が始められていて、微生物やキノコ類に有用なものがあることを発見しています。しかし、微生物もキノコもそのまま摂取するわけではなく、これらから成分を抽出したり薬として調合したりするのが一般的です。

免疫力を高めることが分かっている非特異的免疫賦活薬でも、詳細なメカニズムはまだ解明されていないので、今後も研究の余地があります。

また、単体だと投与しても効果は得られませんから、免疫療法以外の治療法を組み合わせるのが基本となります。このように改めて能動免疫療法についてまとめてきましたが、簡単にまとめると、がんワクチン療法はがん抗原で免疫細胞を刺激、サイトカイン療法は免疫細胞を活性化、非特異的免疫賦活薬は歴史が古く補助的に使うものということになります。

先端治療は日進月歩で研究が進んでいるので、今日の課題も数日後、あるいは数カ月後には解決方法が見つかっているかもしれません。これからも研究が進み、先端治療の技術が多くの方々の希望と喜びに変わることを期待したいと思います。

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