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体幹深部の腫瘍に極細針を穿刺する医療ロボット
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がん先端治療コラム:体幹深部の腫瘍に極細針を穿刺する医療ロボット

がん先端治療コラム:体幹深部の腫瘍に極細針を穿刺する医療ロボット

がん患者が多い日本では、がんを治療するための様々な研究が進められています。がん先端治療についても、新しい情報が次々と入ってきます。最近のニュースでは、医療ロボットの開発を行っているROCK&LOTUSが話題になっています。ROCK&LOTUSというのは、早大系ベンチャー企業です。

治療ロボットIRISとがんについて

ROCK&LOTUSが開発したのは治療ロボットのIRISで、皮膚から10cmから15cm程度の深さに存在するがん腫瘍に針を刺し薬剤を投与することができるという画期的なロボットです。がんは日本人の死因で最も多い病気で、誰でも発症する可能性があります。今では、2人に1人ががんになるとも言われています。がんは、予防することはできますが、完全に防ぐことは難しい病気です。がんが発生する要因としては、遺伝子が傷つくことで起こります。

腫瘍には悪性の腫瘍と良性の腫瘍がありますが、悪性腫瘍のことをがんと呼びます。悪性腫瘍の特徴は主に3つあります。

一つは、正常な新陳代謝とは関係なく勝手に増殖するという特徴です。
二つ目の特徴は、周りに広がる浸潤があり、体の様々な部位に転移し、新しいがん組織をつくるということです。
三つ目の特徴は、他の正常組織が摂取しようとする栄養も、がん組織が奪ってしまうので体力が低下するというものです。

また、悪性腫瘍は3つに分類されますが、発生頻度は上皮細胞から発生するがんが8割以上です。
乳がんや肺がん、胃がんなどは上皮細胞から発生する悪性腫瘍になります。悪性腫瘍が見つかっても、早期に発見できれば完治する可能性もあります。発見が遅れてしまった進行がんは、現在の医療の現状だと生存率が低くなり、治すのが難しくなります。

治療ロボットIRISに期待できること

ROCK&LOTUSが開発した治療ロボットのIRISは、再発がんや進行がんの寛解が期待できるHITV療法に利用することができます。HITV療法というのは、自由診療の免疫療法です。

HITV療法で重要な課題になっている、極細針による高精度な腫瘍穿刺が、治療ロボットIRISによって可能となるのです。これが可能になると、どのような効果を発揮するのでしょうか。

まず、抗原を取り込む能力が強いiDCを腫瘍に直接投与します。腫瘍にiDCを直接投与すると、キラーT細胞を血液中と腫瘍に誘導させることができます。そして、キラーT細胞が血液中に流れるがん細胞と腫瘍を傷害することで、腫瘍の縮小と消失、転移の予防につながるというわけです。このように、HITV療法を放射線治療や手術、化学療法と併用することでステージ4のがんや再発がんにも高い効果が期待できるのです。

また、もう一つの利点があります。IRISは腫瘍に対して正確な穿刺ができる医療用ロボットです。つまり、医師の技量の影響を受けずに、極細針を正確に指して治療を行うことができます。HITV治療は患者への負担が少ない治療で、がんが進行している場合でも治癒率が高いことで知られています。がん腫瘍に正確に針を刺す必要がありますが、正しく針を刺すには医師の高度なスキルが必要になってきます。しかし、ロボットを活用して腫瘍に正確針を刺し注入できるようになると、医師のスキルに依存せずに医療行為ができます。つまり、がん患者にとっては、治療の機会を増やすことが可能になるのです。CTスキャンを駆使して腫瘍の位置を確認し、医師が針を刺す手法よりも負担が少なくて済みます。

また、医師はロボットを別室で遠隔操作できるので、医師も患者も被ばく量を抑えられます。
さらに、別の利点もあります。
HITV療法には様々な課題がありますが、課題のひとつが針の問題です。針の問題は、振動と双方向回転を加えることで解決されています。振動と双方向回転を加えなかった場合と比較して、誤差を大幅に低減できます。万が一、針が血管を損傷した場合でも、出血量が少なくて済みます。

医療ロボットIRISの活用に向けた今後の見通し

現在、ROCK&LOTUSでは試作機を開発し、特許申請と非臨床試験を進めています。臨床モデルを2020年の夏季までに開発し、2021年までには非臨床試験を進める予定です。倫理審査の審査を通過できれば、2022年から人を対象にして臨床試験を行う方針になっています。薬事申請は、2023年半ば以降になると予測されます。新たな治療技術が開発されることは、がんの悩みを持っている人にとっても、そのご家族にとっても、大きな希望が持てます。医療ロボットIRISの安全性が一日でも早く確認されて、大切な命を救う手だての一つとして確立されることを期待します。

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