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放射線治療に使われる様々な機器
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がん先端治療コラム:放射線治療に使われる様々な機器について

がん先端治療コラム:放射線治療に使われる様々な機器について

放射線治療の器具の種類

がんなどの放射線治療に使われる機器には、大きく分けて外部照射と内部照射の2種類があります。
外部照射の電子線とX線は高エネルギー放射線治療を行うことが可能で、三次元原体照射、画像誘導放射線治療IGRTなどに細分化されており、がんの種類を限定せずに利用可能です。そのうち強度変調放射線治療IGRTは固形がんの治療に限られており、サイバーナイフやがん先端治療として注目を集めているリニアックも提供されています。

ガンマ線

ガンマ線は定位放射線治療SRTと定位手術的照射SRSの2種類があり、ガンマナイフは脳腫瘍や脳転移のあるがんをはじめ、動静脈奇形や三叉神経痛などの良性疾患にも採用されているのがポイントです。
陽子線治療は小児の極限性の固形悪性腫瘍や骨軟部腫瘍、頭頚部悪性腫瘍、前立腺がんなどに利用され、重粒子線治療は骨軟部腫瘍、頭頚部腫瘍、前立腺がんに利用された例もありました。一方の内部照射の密封小線源治療ではX線やベータ線、ガンマ線などを利用して組織内照射を行うほか、腔内照射ではガンマ線を利用します。

放射線

非密封放射性同位元素による治療ではアルファ線やベータ線、ガンマ線などを利用して内用療法が行われており、放射線は空間や物質中を波や粒子でエネルギーを伝播するもので、電磁波と粒子線の2種類に分けられています。
電磁波にはX線やガンマ線があり、粒子線は原子を構成する粒子がさまざまな速度で移動するものでアルファ線や電子線に加えて陽子線、粒子線、中性子があります。
放射線治療ではグレイという単位を用いて、人体に当たった時にどれぐらいのエネルギーが吸収されたのかを吸収線量で表します。放射線治療で最も利用される方法が外部照射で、身体の外側から病巣に向かって放射線を当てますが、その中でも高エネルギーを持つX線がよく用いられています。
専用のコンピューターの放射線治療計画装置を使用し事前にどこに施術を行うのか綿密に計画が立てられ、ピンポイントで治療を行いながら周辺の正常な組織に影響を与えないようにします。

昨今では技術革新により、これらの周辺の組織への影響を最小限にしつつ、病巣のみを確実に、かつスピーディーに施術を行うことが可能になりました。高エネルギーのX線を当てる機器の直線加速器は通通称リニアックと呼ばれ、電子線やX線をさまざまな方向から正確に当てることが可能です。
病状や目標に合わせて適切な治療方法や回数が判断され、通常は週5日間の施術を数週間にわたって実施します。この方法により病巣を死滅させるだけの放射線量を確保しつつ、正常な細胞を回復させるための時間が与えられます。

三次元原体照射3D-CRTは、はじめにコンピューターやMRI、CT、PETなどの画像診断により病巣の大きさや部位などを特定して、それらの病巣と周辺組織を3Dグラフィックスで再現して状態を把握し、治療装置を回転させながら病巣の大きさに合わせて放射線を当てます。正常な組織への影響を最小限にするような工夫がされており、ここ数年で導入するケースが増えています。
強度変調放射線治療IMRTは、放射線治療計画装置で最適化計算を行い病巣のより強い放射線を放出しつつ、隣接する正常な細胞へ当てる線量を低減することに成功しています。

マルチリーフコリメーターにより照射する範囲を調整でき、病巣に対して複数の方向から放射線を当てることで1点に集中して高い放射線を当てることが可能となりました。
この強度変調放射線治療IMRIの応用で、機器を回転させながら放射線を当てる強度変調回転放射線治療VMATも登場しています。
定位放射線治療SRTは、病巣に対し前述のマルチリーフコリメーターよりも多くの方向から照射した放射線を集中させる方法で、別名定位照射やピンポイント照射とも呼ばれており、これまでの放射線治療と比較して周囲の正常な組織への影響を限りなく小さくすることに成功しています。
この中でも1回の施術のみで終わる方法は、定位放射線手術SRSと呼ばれ小さな病巣の治療に有効です。
定位放射線治療SRTのひとつにガンマナイフがあり、多数のコバルト線源をヘルメットの形をしたヘッドに半球状に配置されている放射線照射装置でピンポイントに照射を行えます。

コバルト線源から放出されるガンマ線がヘルメットの小さな穴を通過するとペンシル状のビームに変化するので、小さな1点に集中して高線量の放射線を当てることが可能です。
ガンマナイフは極小の箇所に施術が可能なことから、動静脈奇形や聴神経鞘種など脳内の比較的小さな良性腫瘍の治療に用いられています。また、症状によっては前述のリニアックと組み合わせて全脳照射を行い、より効率的な治療が行えます。粒子線治療は、陽子や重粒子などの粒子放射線のビームを病巣に当てます。

通常の放射線治療では深い場所にある病巣をターゲットに当てたとしても、その手前にある組織にダメージを与えてしまいますが、この粒子線治療では病巣のみに強い放射線が当てられるような工夫がされています。また、放射線治療の他にも、がん先端治療の種類も増えてきており治療の選択肢が広がっています。

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