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ロボットアーム がん治療への活用に期待
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がん先端治療コラム:ロボットアーム

がん先端治療コラム:ロボットアーム

科学技術の発展により医療分野で用いられる機器も着実に進化しています。特にがん先端治療を促進する機器の登場が望まれていますが、その状況のなかで日本の企業が画期的なものを発表しました。その企業は医療用のロボットを開発しており、このたび発表したものは従来の常識を覆すテクノロジーを持ったものです。がんの腫瘍に直接アプローチするのは極度の精密作業であるため、たとえ経験豊かな医師であっても非常に慎重に行わなければなりません。また、どれだけ慎重に行ったとしても、失敗してしまう恐れがあるのも事実です。なぜなら医師のスキルの他に、使用する機器の精度も大きく関係してくるからです。そのため、精密なアプローチを行えるロボットアームを求める声は以前からありました。

がん先端治療を促進する精密ロボットアーム

しかし、それを実現する科学技術がなく、不可能な状態が長く続いていたのが実情です。将来的に実現する見込みはありましたが、具体的な見通しは立たない状況でした。その現状を打ち破ったのがこのロボットアームの発表だったというわけです。医療で用いられるロボットアーム自体はずいぶん前から実用化されています。AIで制御することにより、人間よりも精密な作業を行えるものも存在します。それらを大きく上回る精度を持つものがこのロボットアームであり、皮膚から15cmほどにあるがんの腫瘍に対して治療を行えるのです。がんの腫瘍のサイズはわずか数mmですが、それに対して針を突きすといった精密な動作が可能となっています。刺した後には薬剤を流せる仕様になっているので、これまでよりもがん腫瘍に対してはるかに効率的なアプローチを行えます。まだ完成しているわけではなく、実用化のタイミングとして想定しているのは2023年ごろです。

がん先端治療への影響は

この発表は現場で働く医師たちに大きな衝撃を与えることになりました。なぜなら、がん腫瘍に針を刺す難しさを体感したことのある人が多かったからです。針が細いことには多くのメリットがありますが、その中でも特に重要なのは患者に及ぼす負荷が小さくて済むことです。健康な人であれば、針の太さがそれほど大きなダメージにならないこともあります。しかし、がんとの闘病によって心身が衰弱している患者にとって、治療のためとはいえ太い針を刺すのは避けたいところです。医師であればそう考えるのが普通ですが、数mmのがん腫瘍を的確にとらえるのは非常に難易度の高い作業です。たとえ針をうまくがん腫瘍に接触させられても、力の入れ具合を少しでも誤れば簡単に曲がってしまいます。細い分だけ強度は低いので仕方がない一面もありますが、このロボットアームが実用化されるとその問題を払拭できる可能性が高いです。
そのためのコアになるのは、コントロール用に搭載されている専用のユニットです。このロボットアームのうちアームの部分に限れば、実は産業用に使用されているものと大差はありません。しかし、先端に据えられているユニットに大きな違いがあり、それによって微細な作業を可能にしているのです。このユニットが細かなレベルで制御を行うことにより、針に極小の振動を起こしたり左右に向けて回したりできます。そのため、操作方法を理解した医師が操作すれば、従来の治療より難易度を大幅に下げられるでしょう。スムーズに処置を行えるので、短期治療が標準になるなど多くの面でメリットがあると考えられています。

また、日本の有名大学で開催されたロボットに関する学会で、このロボットアームを末期がんなどの治療に使用する事例が紹介されました。この治療は免疫細胞を利用したものであり、優れた方法として知られていますが課題があります。免疫細胞をがん腫瘍に向けて働かせるには、その引き金となる細胞を注入しなければなりません。この細胞は体内に入り込んだ異物を感知することにより機能するものです。ところが、がん細胞はその働きを回避してしまうケースがよくあります。働きかける際のターゲットとなる分子が現れにくいことが主な原因です。そのため、この細胞の自然な働きによって、免疫細胞ががん細胞を退治してくれるのを待つのは得策ではありません。
このロボットアームを使用すれば、がん腫瘍の内側にこの細胞を直接注入できるようになります。そうすると異物として感知される確率が格段に上がり、それを排除しようとして免疫細胞が盛んに活動するようになるのです。この治療法のメリットとして、患者へのダメージが少なくて済むことが挙げられます。そのメリット自体は以前から知られていましたが技術が追い付いていない状態でした。このロボットアームを使えば、医師の手先の器用さなどに関係なく、高水準の治療を施すことが可能になります。多くの医療機関に普及することにより、もうCTスキャンを頼りにして何度も腫瘍の位置を確認するような光景もなくなるでしょう。臨床試験を実施して改良を加えながら実用化を目指していく予定です。


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