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スキルス胃がんの症状
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がん先端治療コラム:スキルス胃がんの症状

がん先端治療コラム:スキルス胃がんの症状

胃がんと言っても、いくつかの種類があります。
一般的に、「胃がん」は胃の壁は内側から、大きく分けて粘膜層と筋層からできています。がんが粘膜層にとどまっているものを「早期胃がん」、がんが筋層以上に深く進んだものを「進行胃がん」と呼ばれます。今回は、その中でも特殊な胃がんである「スキルス胃がん」の特徴についてご紹介します。

スキルス胃がん

「スキルス胃がん」と一般的な胃がんの違いは、なんでしょうか。
一般的な胃がんの場合には、がん細胞が茶褐色に変色していることが多いため、内視鏡などで丹念に観察をすることで比較的早期に発見することができ、治療を行うことができるのが特徴ですが、スキルス胃がんの場合には胃の粘膜にしみわたるような形で病変が進行することや、変色が見られないことが多いため非常に発見が難しいのが特徴です。また胃の内壁を硬く厚く変化させ、同時に血管にも浸潤するために、胃の組織自体を破壊しながら進行すると言う非常に影響の大きいものとなっています。
胃の機能自体が急速に侵されていく症状を示すため、食欲不振や吐き気などの症状を伴うとともに、嘔吐や吐血のほか、血便や体重減少などの症状が見られます。しかしこれらの症状は胃潰瘍やその他の胃の疾患と誤りやすいこともあるので、これが早期発見が遅れる原因となっています。
スキルス胃がんの状況を内視鏡で確認すると、胃の内壁全体にがんが浸潤し、革袋のような形状に変化しているのが特徴です。そのため進行すると胃の機能をなさなくなり、栄養素を吸収することができずに体調を悪化させてしまうことが多いのもその症状の特徴となっています。

「スキルス胃がん」と早期発見

スキルス胃がんの症状の特徴は、がん検診などでもなかなか見つけることができない可能性が高いと言う点です。その理由は、一般的な胃がんとスキルス胃がんの違いにあります。一般的な胃がんは表面が茶褐色に変色することが多いため、レントゲン検診等でもある程度発見できる可能性があるほか、内視鏡検診等ではほぼ確実に発見することができると考えられます。しかし、スキルス胃がんの場合には、胃の内壁から進行することも多く、その際には粘膜の内側に隠れてしまうために目視ではほとんど確認することができません。変色も見られないことから内視鏡でも確認できないため、がん検診等でも発見できないと言うことになる場合も多いのです。そのため自覚症状があっても胃炎と診断されてしまうことが多く、早期発見することができず、ある程度進行してからスキルス胃がんだと診断されてしまうことがあります。

先端治療による早期発見・治療の変化

早期発見が難しいとされていた「スキルス胃がん」ですが、最近では、遺伝子治療や免疫治療、およびがん先端治療の技術が進化しており、この技術をもとに早期発見早期治療が行えるようになっています。免疫治療ではがん細胞に対する免疫の状態をあらかじめ調査し、これを助ける様々な医薬品の適合性を調査して投与することで、効果的な治療を行うことを目指しています。遺伝子治療はがん細胞の発生の原因の1つとなっている遺伝子の状態を調査し、その結果に基づいて適切な予防や診療を行う手段を見つけるための非常に重要な方法となります。これらの治療方法はがんが発見されていない場合であっても非常に有効なものとなっており、例えば身内にがん患者がいる場合などでは遺伝子的にその確率が高くなる傾向があるため、予防治療や早期発見のための様々な検査を行うことが可能となっているのが実態です。近年ではこの手法も従来に比べ格段に高度化されており、早期発見がより効果的に行えるようになっています。

さらに実際の治療においても、がん先端治療を始めとする様々な治療法が確立されており、これらを効果的に駆使することで状況によっては適切な治療の結果を導くものが増えているのが実態です。近年では特にオプジーボに代表される免疫チェックの方法と、ゲノム診療のような遺伝子解析を軸にした方法を効果的に利用した上で、腹水灌流療法や腹腔内への抗がん剤投与等効果的な治療法が生み出されています。スキルス胃がんは血液も破壊するため浸潤も非常に早く、治療が時間との戦いとなる可能性も高いのですが、がん先端治療を始めとする様々な治療法が今後も確立されることが期待されており、早期に発見できる検査方法の確立と実現を組み合わせることで、効果的な治療法が確立されると期待されているのです。

* オプジーボとは・・・「免疫チェックポイント阻害薬」です。
         T細胞のPD-1と結びつくことでがん細胞との結合が阻害され、ブレーキが解除します。

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