お口の健康アップは、からだの健康を保つためにも重要であると、言われています。口の中の病気と言えば、虫歯や歯周病などのイメージが強いですが、口の中にも「がん」ができるのをご存知でしょうか?
口の中にできる口腔がんは、定期的に口の中をセルフチェックすれば、比較的簡単に発見できて、早期治療につながります。
今回は、早期発見・早期治療がカギとなる「口腔がん」について、解説します。
口腔がんとは、舌にできる舌がんや歯茎にできる歯肉がんなど、口の中にできるがんの総称です。
口腔がんは、初期の段階から歯の痛みや歯茎からの出血といった症状が出てきますが、虫歯や歯周病と考えて発見が遅れてしまうことがあるために注意しなければいけません。がんの種類の中でも、比較的、早期発見されやすい「口腔がん」ですが、危険な病気には、変わりありません。その点は、診断から5年後の生存率を表す5年生存率で見てみるとよくわかります。ステージ1の場合は、91%ですが、ステージ2になると80%となります。ステージ3になると、65%になる、ステージ4は、45%とステージ1の半分以下の数字になります。
がん細胞は、一般的に他の組織に転移することに警戒するべきですが、この点を口腔がんは特に気をつけるべきです。口腔がんは首の周辺を通っているリンパ節から高い確率で転移が起きるとの報告もあります。したがって、実際に治療をするとなった時、口の中だけでなく他の組織の治療も行わなければいけません。ですから、転移で治療をする箇所が増えることになり、それだけがん治療は難しくなりますから命の危険も残念ながら高まります。
口腔がんの特徴を踏まえると、口腔がんは早期に発見することが重要で、早期に治療を始めることが「カギ」といえます。
では、早期発見をするためには、どうすればいいのでしょうか。
歯科医院で定期的に口腔がん検診・口腔検診を受けることが非常に必要になります。問診・視診・触診などを行い、口の中に異常がないかを確認します。さらに写真撮影を行い、より詳しい診断も行います。肉眼ではわからない異常も、口腔内蛍光観察装置という機器などを利用するなら、がんになるかもしれない上皮異形成組織や炎症が起きているところが明らかになります。
定期検査やより詳しい検査を元に口の中でがん化している部分があれば、速やかに治療を開始します。異常がないときでも、年に1回くらいの頻度で口腔がん検診・口腔検診を受ければ早期発見に繋がります。
もし、口腔がんが早期発見したなら、治療を行います。従来の治療法であれば手術で患部を取り除きます。がん細胞と周辺部分だけを切除する局所切除術、頸部リンパ節も含めて広範囲に切除をする頸部郭清術などがあります。どのような手術をするかは、がんのある部分や症状の進行度合いによって変わってきます。がん細胞を手術で取り除いた後は、喉や頸部などの機能を取り戻すために、健康な部分から組織を移植する再建手術を行うこともあります。
手術以外の治療の放射線治療や化学療法も行われます。放射線治療については、手術でがん細胞はほとんど除去できた後に補完する意味で行われることが多いようです。
早期治療では新しい治療法も場合によっては検討することができます。
がん先端治療と呼ばれる最新の治療法は大きな効果が期待されていますが、検証ができていないために健康保険が使えません分野もあります。その場合は、自己負担になりますが、ご加入の医療保険でカバーできることもあります。陽子線治療や重粒子線治療などのがん先端治療は、口腔がんの場合にも適用できることもあります。
陽子線治療で使う陽子は、従来の放射線治療で使うX線と違って、簡単い言うならX線が止まる場所をコントロールすることができます。ですから、がん細胞に集中して照射でき、後方の組織に影響を与える心配がありません。重粒子線治療も同様にがん細胞に集中して照射できるので、健康な部分へのダメージは少なくなります。この陽子線治療や重粒子線治療の2つの違いは、陽子線は水素イオンを使用すること、重粒子線は炭素イオンを使用することにあります。重粒子線の炭素イオンは陽子よりも重いのでより破壊力が大きいのですが、健康な部分への影響を考えると陽子のほうが少ないとされていますが、どちらの治療をするのかは、施術をする医師と相談をしながら決めていくことになるでしょう。GTech(ジーテック)株式会社は、がん先端治療の総合窓口として、がん患者の皆様のご相談を承っております。お気軽のお問合せください。