がんは日常生活を健全に過ごすことによって、かなりの確率で罹るリスクを軽減することが出来ます。一方で、長年喫煙の習慣を持ちながら長命な人もいえば、健康そうでも若くしてがんに罹る人もいます。それぞれの人の遺伝子の特性や免疫力によって、がんに罹りやすい、罹りにくいという差が生じてきてしまいます。また、予防的な措置を取ることでがんのリスクを軽減することも出来ます。
例えば、子宮頸がんでは、HPVワクチンという、発がんリスクを軽減するワクチンが認可されています。
胃がんの場合には、ヘリコバクター・ピロリという、強酸性の胃の中でも生息できる細菌があり、これが胃がんを惹き起こす原因の一つとなっています。除菌することにより、発癌リスクを軽減できます。
B型肝炎、C型肝炎は、肝細胞がんを惹き起こすリスクがあります。B型の場合は、エンテカエビルという薬剤によって、C型の場合はインターフェロンというたんぱく質薬剤によって肝炎ウイルスの増殖を抑え、発がんリスクを軽減することができます。
なお、体質によっては、がん遺伝子治療によって不足している遺伝子タンパクや、がん免疫細胞の投与により、予防的措置を講じることが可能です。
標準治療は、がんが発見されてからしか受けることが出来ません。これまではがんを積極的に予防することは現実的ではありませんでした。しかし、がん遺伝子治療はその可能性を大きく広げたと言えます。 がん先端治療である遺伝子治療は、前がん状態でも非常に高い有効性を示します。副作用もほとんどありませんし、正常細胞に悪影響を及ぼすことなく、がん細胞を攻撃しますから、がん先端治療はがん予防として使うことが出来るのです。 PET-CTなどの画像検査で発見し得る、5ミリ程度の大きさまでがんが大きくなるには何年もの時間がかかります。前がん状態のうちに遺伝子治療でその芽を摘み取っておけば、発がんに至る可能性を格段に小さくできます。
比較的軽いがんで、手術で取り切ってしまったので副作用のある抗がん剤はやめておきましょうと言われた場合、あるいは術後に放射線治療や抗がん剤治療を行って、治ったと判断された場合、標準治療ではここで終わりです。しかし、再発する確率は決して小さくないのです。
実は、この「再発するかもしれない」という状態が、再発を防ぐためには最も大切な時です。体内に残っているかもしれないがん細胞が、数も勢いも最も弱まっている時なのです。副作用がほとんどなく、正常細胞に悪影響を及ぼさず、体内のどこに潜んでいるかも分からないがん細胞を攻撃する、がん先端治療であるがん遺伝子治療が、がん再発予防として有効と考えられる所以です。
世界がん研究基金とアメリカがん研究協会による研究では、予防10か条として以下の事柄が推奨されています。
また、この中には入っていませんが、喫煙は肺、口腔、膀胱がんの主因であり、タバコの煙は最も明確に多くの部位のがんの原因であることを強調しておきます。また、タバコとアルコールは相乗作用で発癌物質となります。
また、我が国の厚生労働省からは「健康日本21」によって、がん対策の目標が提唱されています。